2007年 01月 16日
井上まるみ著『プロが教えるキッチン設計のコツ』 |
Living design Center OZONEには、住宅に関連する書籍・雑誌を閲覧できる図書コーナーがあり、ネタを仕入れるためにしばしば利用させてもらっている。
キッチンの参考例を探していて、「オールステンレスじゃなきゃイヤだ」、「壁は白いタイルがいい」と勝手なことを思い描きながら、たまたま手に取ったのが『プロが教えるキッチン設計のコツ』(井上まるみ著、2004年、学芸出版社)。
夢想で膨れ上がった風船のような頭に、針で穴をあけられたような気がしたものだ。キッチンのショールームを見に行く時には、現在の自宅のキッチンの写真を持っていくといいというアドヴァイスには、思わず膝を打ちたくなった。
必ずしもこの本で書かれたすべてに賛同できるわけではない。特に、食洗器とIHクッキングヒーターの記述には大いに疑問がある。とはいえ、キッチンづくりの参考書としては、優秀な部類に属するだろう。
なにしろ、他のキッチン指南書(特に「ムック」と呼ばれる形式のもの)には、悪口を書いてはならないというコードでもあるのか、どれを見てもいいことしか書いていないからだ。どんな製品にも長所と短所があるはずであり、たとえそれ自体としては短所を持っていないとしても、使う人との相性が悪いということがある。
その点、この著者は、あくまでも使用者にとっての良し悪しを基準にしてキッチンを設計しており、好感が持てる。
(ただし、この基準は、同時にこの著者の弱点にもなっていると思う。この視点では、楽に家事をすることができるかどうか、水道代や電気代が安くすむかどうかを考慮することはできても、水道水や電気を使うこと自体が良いのかどうか、また、たとえ熱変換効率が格段に上がったとしても、電気という「高級な」エネルギーをキッチンの熱源に変換することが、地球に対してどんな影響を及ぼしているかを考えることはできないからである。)
キッチンの参考例を探していて、「オールステンレスじゃなきゃイヤだ」、「壁は白いタイルがいい」と勝手なことを思い描きながら、たまたま手に取ったのが『プロが教えるキッチン設計のコツ』(井上まるみ著、2004年、学芸出版社)。
夢想で膨れ上がった風船のような頭に、針で穴をあけられたような気がしたものだ。キッチンのショールームを見に行く時には、現在の自宅のキッチンの写真を持っていくといいというアドヴァイスには、思わず膝を打ちたくなった。
必ずしもこの本で書かれたすべてに賛同できるわけではない。特に、食洗器とIHクッキングヒーターの記述には大いに疑問がある。とはいえ、キッチンづくりの参考書としては、優秀な部類に属するだろう。
なにしろ、他のキッチン指南書(特に「ムック」と呼ばれる形式のもの)には、悪口を書いてはならないというコードでもあるのか、どれを見てもいいことしか書いていないからだ。どんな製品にも長所と短所があるはずであり、たとえそれ自体としては短所を持っていないとしても、使う人との相性が悪いということがある。
その点、この著者は、あくまでも使用者にとっての良し悪しを基準にしてキッチンを設計しており、好感が持てる。
(ただし、この基準は、同時にこの著者の弱点にもなっていると思う。この視点では、楽に家事をすることができるかどうか、水道代や電気代が安くすむかどうかを考慮することはできても、水道水や電気を使うこと自体が良いのかどうか、また、たとえ熱変換効率が格段に上がったとしても、電気という「高級な」エネルギーをキッチンの熱源に変換することが、地球に対してどんな影響を及ぼしているかを考えることはできないからである。)
by pagezeni
| 2007-01-16 20:08
| 本